海水魚はあまり初心者向けの観賞魚とは言えませんが、簡単に飼育の流れを解説していきたいと思います。まず飼育器具ですが、熱帯魚の飼育に用いるものはひと揃い必要です。ただし例えばフィルターにしても熱帯魚用に比べて、より高い濾過能力を備えたフィルターが必要になってくるでしょう。また、水槽もできるだけ大型のものが水質が安定して飼いやすいでしょう。小型の水槽で飼育する場合には、多くとも2、3匹、できれば1匹で飼ってあげた方が安心です。特にスズメダイの仲間など、複数で飼育すると弱い個体を徹底的に攻撃してしまう種類も多いので注意しましょう。
淡水魚用のフィルターや蛍光灯は事故防止のため海水での使用ができないものも多いので、よく確認してから購入する必要があります。海水魚の専門店ではよくオリジナルの濾過器を制作していたりしますので、長年の経験が活かされたこうした各店オリジナルのセットをひと揃い購入するのもおすすめです。また、海水魚特有の器具としては人工海水の素と、海水の濃度を調べる比重計があります。水槽をセットした直後は人工海水の溶け残りがあったり、部分的に濃かったりする場合があるため、念のため一昼夜おいてから改めて比重を計るのが安全です。それまで海水魚は入れずにおきましょう。
海水魚の飼育においては水換えによる水質維持よりも、いかにして水槽内の調和を保ち水を清潔に維持するかが課題となります。特にアンモニアは海水魚水槽のようなアルカリ性の環境ではより毒性の強い状態になりますので、窒素酸化物の無害化までのプロセスをいかにすみやかに行うかにかかっています。
これはひとえに濾過バクテリアの働きによるもので、その重要性は淡水魚の飼育よりもさらに増すにもかかわらず、淡水に比べて十分な量の濾過バクテリアが殖えるには時間がかかるため、きちんと機能するようになるまでは2ヶ月以上かかると考えておきましょう。それまでは特にエサを控えめに与えるように徹底し、むやみに濾過器の掃除をしないようにする必要があります。
また、濾過器を掃除する際も濾材を真水で洗ってしまうとせっかくのバクテリアが死滅してしまいますので、必ず水槽内の海水を使って洗うようにしましょう。ライブロックという様々な微生物や植物の種が根付いた岩がありますが、この表面には濾過バクテリアがいますので、水槽をセットした直後などに入れておくと効果的です。
なお、濾過バクテリアを含んだサンゴ砂も販売されていますので、ぜひ活用したいところです。エサについては海水魚用の人工飼料を用います。生のエサは海水を悪くしやすいので、できれば避けておいた方が無難です。
海水魚は小さくておとなしそうな種類でも意外に縄張り意識が強いものが多く、下手に混泳させると大変なケンカを始めてしまうことも少なくありません。お店では仲良く泳いでいるからと過信せず、購入に際してはショップの店員さんに相談する方が無難です。初めて熱帯性海水魚を飼育する場合、十分にコツをのみこめるまでは大きな水槽に小さな種類を小数だけ飼うのが良いでしょう。
もっとも見かける機会の多い青い海水魚です。安価で手に入りやすく、比較的丈夫です。部屋の照明を消して斜め上から蛍光灯で光を当てると、まるでモルフォ蝶のようなとてつもなく美しいエレクトリックブルーの強烈な輝きを放ちます。ケンカをしますので、小さな水槽で飼育する場合は一匹しか飼えません。
海水性のハゼの仲間には極めて美しい種類が多く存在します。動きや表情も愛嬌たっぷりで、一目でこの魅力にとりつかれてしまう人も少なくありません。色とりどりのパステルカラーを身にまとったハゼたちの泳ぐ様子はとてもファンタジックです。
愛嬌たっぷりの、美しくて飼いやすい人気の海水魚です。初めて海水魚を飼育される方にもおすすめです。
小さなエビたちも人気です。可愛らしくて美しいものも多く、メカニカルな動きも見ていて飽きません。オトヒメエビなどのようにウツボやハタなどの大型魚と共生するエビもいますが、エビを好んで食べる海水魚も多いのでエビはできるだけ魚とは別に飼った方が無難です。また、魚に比べて薬品類には極めて弱く、これらはエビにとって致命的です。このため、エビがいる水槽には絶対に観賞魚用の魚病薬は入れないよう気をつけてあげましょう。
※このホームページはリンクフリーです。
当サイトに掲載されている内容は著作権法により保護されており転載あるいは転用することはできません。届いてすぐに飼育できる特別な水槽。とびきり愛らしいメダカ。失敗しない水槽の選び方。せまいビンからベタをお引っ越し。初めて飼うならアカヒレがおすすめ。初心者にもやさしい熱帯魚飼育。太古から現在まで、地球上に暮らしてきた生き物たちが集う、わらべねこ自然画像館。熱帯魚飼育のヒントが満載の熱帯魚ブログ。
Presented by 海水魚の飼い方|観賞魚ドットコム